今年の6月に行われた、つくば保健所管内保健師研修会からの報告です^^
栄養管理士・健康咀嚼指導士で、土浦市のたかぎ歯科の摂食機能療法相談担当をされている手塚文栄先生のお話から、離乳食の進めかたのポイントをご紹介したいと思います!
『どうして「よく噛むこと」、「よく噛んで食べること」が大事なの?』
〜噛むのは癖、学びです。最初の癖付けが大事です〜
理由は、【ひみこのはがいいぜ】にまとめられています!?
ひ(肥満予防)
み(味覚の発達)
こ(言葉の発達)
の(脳の発達)
は(歯並び、虫歯・歯周病予防)
が(がん予防)
いい(胃腸病の予防)
ぜ(全力投球!)
・言葉の発達、しゃべることは、きちんと食べることで鍛えられます。
・がん予防とは、30回くらいかむと癌を引き起こす物質を減らすことが出来るので予防効果があるそうです。大人も早食いの人、要注意ですね。
・全力投球!とは、奥歯を噛み締めて口を閉じてやると力が入るから、とのこと。
なるほど〜!
『「自ら」、「食具を使って」、「よく噛んで食べる」ようになるための条件』
★子ども側
1.消化器、排泄、心肺機能、認知・協調・感覚にさほどの問題がない
2.鼻呼吸ができる 〜鼻が詰まっている時は食べづらい
3.接触過敏がない(からだのどこを触られても平気)特に、手・口・口の周辺や口の中
4.原始反射が消失している(探索反射、咬反射、吸啜反射〜お乳を吸うのに必要な原始反射たち)
5.よだれがひどくない(よだれに気づける、むせずに飲める)
6.食べる意欲がある
7.食物アレルギーがない(あるいは、親がそのことを把握している)
・・・こうみると、単に6ヶ月になったからはじめよう!というものでも無い事がわかりますね。6ヶ月は目安なんだと思い、赤ちゃんの様子や体調をみながら始めましょう。
(昔は、3〜4ヶ月から離乳食の準備として果汁や麦茶を与えていましたが、今は6ヶ月までは母乳または人工乳以外の食べ物は赤ちゃんにとって必要ない、とされています。)
★介助側(親側)
1.養育者が(親が)食べる姿を子どもによく見せるようにしている〜イメージトレーニング^^
2.ほおずり、鼻と鼻をつける、キス、ほほをつつく、口の中をさぐるなど、自然なかかわりを普段から
3.生活リズムや乳汁量を整え、適度に空腹な状態で食卓につかせている
4.子どもがよく笑う生活となっている(表情筋が柔らかくなり、口を開けやすい)
5.首が前かがみになり、頭と腰が安定するイスや補助具を準備している
6.手が使えるテーブルを用意し、赤ちゃんが目や手で食べ物を確認することを応援している。口の中に入る前に、唇や歯や鼻で安全確認できる介助をしている
7.子どもの能力に合った食形態(かたさ、なめらかさ、ねばり、大きさ)で、自然の甘味を感じる料理である・・・1歳過ぎころから少し味をつけると良く食べることも。少ししょっぱいものを食べると唾液がいっぱい出るので。
8.唇をおろしやすい(閉じやすい)、平たくて小さい薄手のスプーンを使っている
9.スプーン先に適正量の料理を載せている(1〜2g)
10.唇をおろし、子どもが自ら食物を取り込むような介助をしている(スプーンをなすりあげたり、口の奥に入れたり、どんどん口に運ばない)
11.傍らに汁物以外の水分を置かず、子どもが味わいながら自分の唾液で食物をこねて飲み込むのを待つ(水で流し込まない)
12.ゴクンを待って次の一匙を与える(待つ間、言葉かけをする)
13.口元が汚れたら、子どもがどうするか見守り、舌でなめたり、指で取ったりするのを促す(安易にふき取らない)・・・子どもの舌や指の働きがよくなります^^
14.味わってから口から出す場合は、制する前に理由を考え対応する・・・ダメ!と言わないこと。量が多いか、固いことも。
15.食形態、一口量ともに適切なのに瞬時に口から出す時は、下をスプーンの背で押し戻し、口を閉じる介助を行う
16.養育者の食事を取り分けたりアレンジしたり、こどもの求めに応じてお相伴(味見)をさせたり、時にはちょっと噛んで与えるなど、ヒトは哺乳動物であることを忘れない態度でのぞむ
・・・離乳の準備をするなら、お膝に乗せた赤ちゃんに、楽しく食事している風景を見せる、お顔をマッサージしたり口の中に触れることで、乳首以外のものに触れることに慣らしておく(スキンシップ)、よく笑わせて表情筋を発達・柔軟にしておく、なんていうのが良さそうですョ!
相談先:たかぎ歯科
土浦国分町4-15 (土浦市役所の裏側、しまむらの前)
TEL&FAX 029-822-3114
摂食相談:月〜土 9:30〜15:00 なるべく月・水・土
相談時間:初回1.5〜2時間、その後は1時間前後
持ち物:保険証、食べ物、飲み物、歯ブラシ、タオル、イスなど
スタッフ:歯科医高木先生、栄養士手塚先生
★個別相談、家族の歯科受診も可能
★人数限定ですが、母子での食体験の集いも行っています
・・・2歳になるうちのコも薄味で育てていますが、やはり濃い目の大人のオカズのほうがよく食べたり、嬉しそうな顔をします。『パパやママと一緒☆』というのも嬉しいのでしょうね! 楽しむ食事を心掛けたいですが、朝、忙しい時には急かして食べさせちゃったりしてるので、それは反省
食事中に立ち歩いたりする時は、「片付けちゃうよ〜」と言って、流しへ持っていくふりをすると戻ってきて食べています。ご飯が進まなくなってきた時は、「これを食べたらミカンあるよ〜」で、最後の一口が頑張れます。このくらいになってくると、駆け引きも必要なようですね^^